
気象庁は2007年10月1日から「緊急地震速報」を運用しています。それを受けて、ラジオ福島では2008年4月1日午前9時から「緊急地震速報」の放送運用をしています。「緊急地震速報」は、既に発生した地震の揺れが到達する前にお知らせし、災害を未然に防ぐことが期待されています。一方、高速道路上のドライバーが、これをカーラジオで聴いて急ハンドルや急ブレーキをかけることなどによって、思わぬ二次災害が起きる可能性もあります。「緊急地震速報」がどんなものであるか、それを聴いたらどう行動するかなど、正しく理解して地震災害の軽減にお役立てください。なお、緊急地震速報はAM・FMラジオでの受信向けのシステムです。radiko.jpなどのIPサイマルサービスでは遅延が発生するため時刻及び緊急地震速報は正確ではありませんので予めご了承下さい。災害に備えて、ぜひお手元にラジオをご用意ください。
ラジオ福島ではどう伝えるか。
ラジオ福島では「緊急地震速報」を以下の基準でお伝えします。
(1)放送にあたっての震度基準を過去の災害の実態や二次被害発生の懸念などを踏まえ、「福島県内で「震度5強以上」の揺れが予想される時」に設定しています。
「緊急地震速報」には「伝えることによる減災効果」と「伝えることから生じる二次被害」という二つの側面があります。「伝えることから生じる二次被害」を考慮すると、放送の震度基準を気象庁と同じ「震度5弱」に置くことには検討の余地があります。なぜなら、比較的大きな地震でも「震度5弱」では建物や人に大規模かつ甚大な被害は発生していません。その理由は、現在の耐震基準を満たした建物が増えたことが考えられます。一方、「伝えることから生じる二次被害」という観点では、例えば高速道路上のドライバーによる過剰反応によって事故が発生するなどが想定されます。こうしたことからラジオ福島では、「緊急地震速報」放送の震度基準を、「震度5弱」ではなく「震度5強」としています。しかし震度基準を決めるには、地域の特性を考慮する必要があり、全国一律に決められるものではありません。なお、NHKのラジオ・テレビ、首都圏の民放テレビ局、首都圏以外の民放テレビ局の一部は、気象庁の発表基準と同じ「震度5弱」以上で「緊急地震速報」を放送します。
(2)「緊急地震速報」の「報知音」は、いつ誰が聴いてもわかるように統一することが望ましいということから、NHKと同じ音声を使用しています。
(3)「緊急地震速報」は、一刻を争う速報のため、通常番組、コマーシャル、提供クレジットを放送中でも、中断して放送します。
(4)ラジオ福島では「緊急地震速報」が発表された場合、次のような放送を予定しています。
♪「緊急地震速報」報知音
(報知音に乗って男性アナウンサーの声で)
地震が発生しました。揺れに注意して下さい。車はハザードランプをつけ、ゆっくりスピードを落としてください。机やテーブルの下にもぐってください。落ち着いて行動して下さい。
♪「緊急地震速報」報知音フェードアウト
続いて
(男性アナウンサーの声で)
気象庁から「緊急地震速報」が出されました。落ち着いて行動して下さい。詳しい情報が入り次第お伝えします。引き続きラジオ福島をお聴きください。
以上のコメントを繰り返し放送し、その後、速やかに具体的な情報をお伝えする予定です。
緊急地震速報 利用の心得
~あわてずにまずは身の安全を確保!~
「緊急地震速報」を見聞きしてから強い揺れが来るまでの時間は、数秒から数十秒しかありません。そのため、短い時間内に即座に身を守るための行動をとる必要があります。
■家庭では
頭を保護し、丈夫な机の下などに隠れる。
あわてて外に飛び出さない。
火の始末は揺れがおさまった後に行う。
扉を開けて避難路を確保。
■自動車運転中は
あわててブレーキを踏まない。
ハザードランプを点灯し、緩やかにスピードを落とす。
大きな揺れを感じたら、道路状況を確認し、左側に停止。
■屋外では
看板、瓦やガラスの落下に注意。
ブロック塀や自動販売機、ビルのそばから離れる。
■エレベーターでは
全ての行先ボタンを押し、止まった階で降りる。
閉じ込められたら、インターホンで通報する。
■大規模施設では
館内放送など係員の指示に従い、落ち着いて行動。
落下物から頭を保護、照明の下などから退避。
あわてて出口や階段に殺到しない。
■鉄道・バスでは
かばんなどで頭を保護する。
つり革や手すりにしっかりとつかまる。
落下物に注意。
係員の指示に従う。
などです。日頃から正しい知識を身につけましょう。